日本列島2014年10月20日 09:32

【沖縄】

 沖縄の海は藍色だ。宜野湾市北谷の海は普天間米軍基地だ。頭上を耳を切り開く轟音を発する3機のジェット戦闘機とヘリが湾を越え、発信したオスプレイ1機が上空を飛んでいく。しかし潜ると地上の音は消えた。熱帯魚が自分の近くで泳いでいた。
観光地の沖縄本島は派手だ。ひめゆりの塔の駐車場は観光バスが止まる。 「国際通り」のショッピングモールで珊瑚のループタイを買った。

合気道の楽しさ2014年10月19日 21:13

【火事場の馬鹿力】

還暦を過ぎてもスポーツは楽しい。日々の溜まった疲れを忘れさせ、身体にフレッシュな感覚を蘇らせる。仲間とのゴルフコンペ・下手なテニス・25mプールでゆったり泳ぐ楽しさ、人間にとって運動は健康の栄養剤、と実感する日々だ。

アルペンスキーは札幌の手稲オリンピアがホームゲレンデだ。合気道は大学1年から道場に通ったが、都立大学柔道場の一角を間借りして46年前に合気道部を創設し、若き田村巌師範を指導者に迎えた。春から秋まで東京で合気道に励み大学4年で黒帯を取得し、冬は北海道の大自然の山頂から粉雪を吹き飛ばし、加速度的に滑走するスキーのスピード(疾走感)が嬉しい。スキーは志賀高原・八方尾根など亡くなった法律事務所の先輩弁護士らと一緒に社会人クラブに所属し、1級を取得した。テニスは広島修習のとき裁判所内庭のコートから始めた。いま若いコーチにボールを左右に振られ、汗まみれで走らされ、終わった後のサウナの水風呂が楽しみで、下手ながらテニスは現在も続いている。

学生時代に寝食を忘れるほど打ち込んだスキーと合気道は趣味を超えた楽しみだ。
私が修業した合気道は藤平光一先生が創始した「心身統一合氣道」だ。海外ではKiーAIKDOで知られている。広島修習のとき12名の仲間と東京から田村巌師範を招聘し広島拘置所の道場で合宿稽古をした。2011年1月9日、栃木総本部道場での鏡開きで7段を推挙された。

ここで、合気道の極意の一つである「折れない腕」について紹介しよう。女性の細腕でも、火事場の馬鹿力を応用して、脱力した、つまりリラックスした力強い腕で、攻撃してくる男性の相手を捌き、投げつけることができる。
心身統一合氣道の良さは、この火事場の馬鹿力を誰でもが会得できることだ。

藤平光一先生は日本人でも外国人でも、誰しもわかる例えを使う。
2011年2月号「月刊秘伝」という雑誌に植芝盛平先生の姪孫高棟玲子さん(79才:女性合気道家)の「孫から見た開祖と本部道場」と題するインタビューが掲載された。彼女の「折れない腕」会得の経過がとてもわかりやすい。この雑誌の宣伝ではないが、ハワイ帰りの若き藤平光一師範の稽古風景のセピア色の写真が掲載されており、「氣を出す」という合気道技の当時の指導法が良く分かる。

この記事で私が興味を覚えたのは、火事を消火すべく消防士の持つホースの話だ。若き高棟玲子さんは叔父様藤平光一師範から「気持ちというのは消防ポンプのホースと同じだ」と学んだという。消防士が水圧を必死で支え、消火活動をする姿だ。確かに、多量の水が噴出中のホースは人間程度の力では力まかせに、へし折ることが出来ない。しかし、放水が終われば水圧が無くなりホースは簡単に丸められ、消防車の中へと片づけられる。
火事場の馬鹿力の応用の「折れない腕」は、この消防ホースの例え話ですぐにイメージ出来る。水は氣で、水の様に指先から永遠の彼方までスーッとに氣が噴き出しているとイメージする限り、存在する肘関節を忘れ、攻撃してくる強い男性の力でも、細腕の肘関節は折れず、相手を倒すことができる。いかに、か弱い女性の門弟にも脱力した方が強いという「折れない腕」が簡単に出来る理屈だ。

さらに藤平光一先生の話が、ユニークで面白いのは、女性門弟向けに、銀座でバーゲンセールに出会った女性は、障害物を乗り越え、前へ、前へと進むという例え話だ。合気道は気持ちの使い方が大事だと、気持ちを前方に出していたら、少々人にぶつかってもそこにたどり着けるのだ。若き高棟玲子さんは若き藤平光一師範から教えられたと語っている。

翻ってみると我々弁護士の場合も、相手や訴訟も様々で、まさに紛争は生き物だ。日常色々な法的な場面に遭遇する。しかし、いちいち【火事場の馬鹿力】を意識する必要はない、積極的な発想で、他力を使えばいい。藤平光一先生は「仏(ほとけ)は、ホットケだ」とユーモアを言う。自然に任せ、ありのままに、脱力した・リラックスした対応が大切だ。
法的な紛争も気持ちを前方に出し、前向きに処理することが円満な解決に至ると納得した。

日本列島2014年10月19日 20:35

静岡県大瀬崎の映像
【八丈島】

八丈島は伊豆七島の最南端に位置する。東京から南へ290km、黒潮と溶岩の島、歴史と流人の島、八丈島の海原は青かった。ダイビングポイントは、島の周り全てで、帰りのANA機から臨む、東海汽船が発着する底土港のあの岬から初めて潜ったなと感慨を深くした。
島寿司の練り辛子は、わさびと異なり不思議な味だった。

中国東北部の発展2014年10月19日 20:26

大連市内
1 大連にて

 2013年3月23日(土)午後、明るく近代的な大連周水子空港で成田行JAL便搭乗口で、事故か?初老の日本人らしきビジネスマンがコートをはだけ、意識不明のまま大の字に倒れ、男女の乗客が遠巻きに見守る中、白衣姿の中国人医師と看護師が救命措置を必死でなしていた。汗を拭きつつ男性医師の力強い心臓マッサージと女性看護師の携帯用酸素ボンベから吸入マスクを装着する作業は適確だ。しかし、救急傷病人の胸にはAED(自動体外式除細動器)は装着されていない。日本では多くのは公共施設には完備されているが、ここ大連空港には残念ながらAEDが無いのか、数分後救急隊が駆けつけそのままタンカで運ばれていった。
 大連空港はマイナス3度、吐く息が白い。大連空港は新しくなり、国際線ターミナルからタクシー乗り場まで遠くなった。途中何人も日本語で白タク客引きに声かけられるも無視して重い荷物を引く。駐在員家族の噂によると国際線から約700メートルで運転手にとってタクシー料金が1元(日本円約15円)儲かるという。公安警察官がいるとタクシーは追い払われ乗車拒否となるが、裏技は国際線出発ロビーである2階に上がり出発客になりすまし、乗客を運んできた空タクシーを捕まえることだという。
 自動車数が急速に増大し、大連市中山広場のロータリーは、一日中慢性渋滞で白バイが交通整理をする。法律事務所から大連駅前の「改正労働契約法」講演会会場ホテルまで、どんどん時間が過ぎるが空タクシーが全く来ない。やむなく運転手が窓を開けて声をかける相乗りタクシーで行く決心をして乗り込む、当然料金メーターは倒さず、前後3人の客との相乗りだが正規の運賃8元(120円)はきちんと徴収される。

2 瀋陽にて

(1)中国東北部、遼寧省の発展はすざましく。遼寧省の省都である瀋陽市は新たな副都心を建設中で、日本の大手建設会社も参画し工場・高層住宅ビルも建設ラッシュだ。今年の8月には4年に1回の中国の国民体育大会が瀋陽市で開幕し、習近平国家主席も臨席するとのことだ。
 今回の中国出張は瀋陽・大連間を新幹線で往復した。時速199キロ・2時間25分のまさに「安全運転中」の中国新幹線の乗り心地は快適だ。
 瀋陽市の空は、透明で綺麗だ。確かに、PM2.5の影響で富裕層は家庭用エアコンを買っている。とくに現地で生産しているシャープ(夏普)空気消毒機<認可:衛消字(2011)第0003号>が爆発的に売れているという。
 しかし、家庭用暖房の煤煙で薄黒い空気で充満していた昔日の面影はない。曇り空で外気温は零下だが、従来の特急と異なり新設の高架線路で防音壁もわずかしかなく、大きな川は凍っているが、中国の広大な風景が新鮮だった。

(2)瀋陽駅構内は「便利超市」があって買い物に便利だ。身分証明と切符がないと待合室に入れないので混雑はない。若者はスマートフォンとiPadを持ってネット閲覧やゲームに熱心なのは、日本と変わらない。老人は慣れた人民帽、若者はGパンと服装はカラフルで、違和感はない。ただし、男女変わらず大きな声で携帯電話するのが、日本との常識の違いだ。
 行きの大連始発の乗車率は25%程度だったが、帰りの瀋陽発二等車は満席だった。ホームへの出入りは自動改札なので混雑せずスムーズに通過する。車内中央通路上に設置された新幹線のテレビモニターは、習近平新体制により解体される予定の鉄道部の新幹線宣伝のビデオ放映だ。常に車両専属の清掃係が移動しゴミを集め、そして注文した暖かい牛肉弁当は40元(600円)で、通常鉄道の駅弁は15元なので、やはり新幹線の車内販売する弁当は高い。成田で一日700円上限のWi-Fi無線ルーターを借りてパソコンで2時間25分間接続を試したが、高速の新幹線移動でもインターネットがサクサク使え、日本とのメール連絡が極めて楽だ。
 面白いのは日本と異なり新幹線の窓側ガラス枠に、すぐ手に取れるように緊急脱出用のガラス破壊用ハンマーがいくつも取り付けてあることだ。大連市内バスではよく見かけるが、広州市の新幹線事故の影響ではなく(?)、発想の違いだろう。日本の新幹線では非常時の停止ブザーはあっても、緊急脱出用のガラス破壊用ハンマーは無い。
 新幹線用の大連北駅から大連駅までの工事が5月には完成予定で、大連市内から瀋陽駅まで2時間を切ることになる。日本で言えば東京・名古屋間の感覚で、これから大連の法律事務所から発展する瀋陽方面の出張も楽になる。

スポーツ法に関する日本とヨーロッパとの比較2014年10月16日 09:40

相撲総見
<< 日本におけるスポーツ法の役割 >>

 スポーツ法に関連する相談は様々あるが、「スポーツの自治」は「スポーツ権」の土台であり、コンプライアンス(法令遵守)とガバナンス(組織の統治)を基礎においておおむね次の様な視点に立って法律相談に回答している。
 オリンピック憲章は、スポーツを行うことは人権だという。憲章の前文に続く「オリンピズムの根本原則」の第4項に、「スポーツを行うことは一つの人権である。すべての人が、いかなる差別もなく、オリンピック精神に則って、スポーツを行うことができるのでなければならず、そのオリンピック精神とは、友情・連帯・フェアプレイの精神に基づく相互理解を求めるものである。」と定めている。
 自治権とは、社会に存在し自由かつ自律的に活動している団体・組織に対し、公権力がその自主的な活動に対し、表面的には合理的な理由を保持しつつ不正、不当な制限を加え、ガバナンス(組織の統治)に介入してくる事態が生じたとき、団体・組織が公権力に対抗して、公権力を排除できる正当な権利である。
 「スポーツの自治」はスポーツ活動が、いかなる意味でも自由であり、旧スポーツ振興法1条2項に明記されていたように、国家から強制されないという意味でも自由で、憲法13条の幸福追求権から保障されている。
市民スポーツ組織・スポーツクラブの自治の権利は、経済的自立を基盤として、社会的な存在としての自治的組織に相応しい自己管理能力・規範や民主制を有しているかが、問われる。
 つまり、「スポーツの世界は固有のルールを持つ私的自治にまかされ、公序良俗に反しない限り、国家法は介入しないのを原則とする」という積極的なプラスの論理だ。
 しかし、スポーツ団体の結成・運営・活動にいかなる権力からの介入も強制も受けないとの発想が、逆に第三者の批判を許さないスポーツ界の一貫した考えとして「スポーツに法は入らず」と、スポーツ組織内部の自治原則を堅持し、自分たちの創った固有のルールに従うのが正しいと伝統化してきたというマイナスの部分がある。
 その極論が監督・コーチ・親方と選手・部員・新弟子が学校体育の先輩後輩という暗黙のルールで身分の上下を規律し「派閥と放漫経営」「暴言と暴力」「セクハラとパワハラ」でも「文句の言えない」「泣き寝入り」という日本流的な非近代的な封建的意識が残った。
 スポーツの自由は、スポーツ組織を結成する自由、「スポーツの自治」が基本である。2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて政府ではスポーツ庁創設せんとしている。スポーツ団体が「スポーツの自治」を確立することは将来100年先のスポーツ界を見据え基本的人権が確保されたスポーツ振興をはかるためにも大切なことだ。


<< 欧州スポーツ法の調査 >>

 2013年5月、日本弁護士連合会の欧州スポーツ法調査研究視察団は、英国・オランダ・ベルギー・フランスの4カ国を歴訪し、スポーツ法を専門とする学者や弁護士さらにはオリンピック委員・非営利スポーツ団体の役員・関係者から欧州スポーツ界の様々な現状を聴取し、「スポーツにおけるガバナンス(注1 組織の統治)」が欧州において重要な要素としてスポーツ法の骨格を形成している事実をまさに肌で知り、帰国した。
 2013年5月28日、オランダ(首都アムスデルダム)から英国(首都ロンドン)に戻る際、英国ヒースロー空港の出入国検査官が私が記載した入国申告書の職業欄の弁護士表示を見て、どの様な種類の専門業務をしているか尋ねてきた。
 専門は「スポーツ法」だと話すと若い女性の公務員は眼を輝かせ「すごい、私も学んだ」と質問よりも自分の経歴を言い始めた。つまり英国では法律科目の一つに「スポーツ法」が一般法と同じく普及し、現代のスポーツ文化の発展とともに将来ますます期待される先進的な法分野だという一つの事実を示唆している。

 2012年12月15日早稲田大学で日本スポーツ法学会第20回大会が開催された。大会テーマは「 法的観点から見た競技スポーツのIntegrity~八百長、無気力試合とその対策を中心に~」である。我々は、スポーツマンシップとかフェアプレーという言葉は良く聞くが、インテグリティー(Integrity)注(1)という言葉には馴染みがない。しかし、欧米のスポーツ関係者の間ではドーピングの蔓延とともに話題にされることが多くなった。
 基調講演をなしたイギリスのスポーツに造詣のある歴史社会学の菊幸一(筑波大学教授)によると、近代に入り資本家階級(ブルジョアジー)の台頭により、貴族階級の子弟と中産階級の子弟とがハーロー、イートン校・ラクビー校などパブリックスクールで共に学ぶ中で、紳士の倫理として例えばサッカー・ラクビー等の球技スポーツのなかで歴史的、社会的にIntegrityが社会的リーダー(エリート)としての資質・能力だと醸成されてきたという。
 平成23年8月24日施行された「スポーツ基本法」は「スポーツは、これを通じて幸福で豊かな生活を営むことが人々の権利である」(基本法2条)と定める。
 しかし、プロ野球・大相撲の八百長・ドーピングさらには暴力団排除活動など違法・不正に揺れる競技スポーツ界にスポーツの透明性と公正性を求めスポーツ人の社会的使命の自覚は、いかにして可能か?八百長事件、無気力試合・故意的敗退行為など具体的な事例を話題にシンポジュウムでスポーツ界における「法の支配」の確立に向けて学会員の議論が尽きなかった。
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注1:辞書的な和訳としてインテグリティー(Integrity)は「高潔,誠実,清廉」や「完全な状態,無傷」となる。