中国東北部の発展2014年10月19日 20:26

大連市内
1 大連にて

 2013年3月23日(土)午後、明るく近代的な大連周水子空港で成田行JAL便搭乗口で、事故か?初老の日本人らしきビジネスマンがコートをはだけ、意識不明のまま大の字に倒れ、男女の乗客が遠巻きに見守る中、白衣姿の中国人医師と看護師が救命措置を必死でなしていた。汗を拭きつつ男性医師の力強い心臓マッサージと女性看護師の携帯用酸素ボンベから吸入マスクを装着する作業は適確だ。しかし、救急傷病人の胸にはAED(自動体外式除細動器)は装着されていない。日本では多くのは公共施設には完備されているが、ここ大連空港には残念ながらAEDが無いのか、数分後救急隊が駆けつけそのままタンカで運ばれていった。
 大連空港はマイナス3度、吐く息が白い。大連空港は新しくなり、国際線ターミナルからタクシー乗り場まで遠くなった。途中何人も日本語で白タク客引きに声かけられるも無視して重い荷物を引く。駐在員家族の噂によると国際線から約700メートルで運転手にとってタクシー料金が1元(日本円約15円)儲かるという。公安警察官がいるとタクシーは追い払われ乗車拒否となるが、裏技は国際線出発ロビーである2階に上がり出発客になりすまし、乗客を運んできた空タクシーを捕まえることだという。
 自動車数が急速に増大し、大連市中山広場のロータリーは、一日中慢性渋滞で白バイが交通整理をする。法律事務所から大連駅前の「改正労働契約法」講演会会場ホテルまで、どんどん時間が過ぎるが空タクシーが全く来ない。やむなく運転手が窓を開けて声をかける相乗りタクシーで行く決心をして乗り込む、当然料金メーターは倒さず、前後3人の客との相乗りだが正規の運賃8元(120円)はきちんと徴収される。

2 瀋陽にて

(1)中国東北部、遼寧省の発展はすざましく。遼寧省の省都である瀋陽市は新たな副都心を建設中で、日本の大手建設会社も参画し工場・高層住宅ビルも建設ラッシュだ。今年の8月には4年に1回の中国の国民体育大会が瀋陽市で開幕し、習近平国家主席も臨席するとのことだ。
 今回の中国出張は瀋陽・大連間を新幹線で往復した。時速199キロ・2時間25分のまさに「安全運転中」の中国新幹線の乗り心地は快適だ。
 瀋陽市の空は、透明で綺麗だ。確かに、PM2.5の影響で富裕層は家庭用エアコンを買っている。とくに現地で生産しているシャープ(夏普)空気消毒機<認可:衛消字(2011)第0003号>が爆発的に売れているという。
 しかし、家庭用暖房の煤煙で薄黒い空気で充満していた昔日の面影はない。曇り空で外気温は零下だが、従来の特急と異なり新設の高架線路で防音壁もわずかしかなく、大きな川は凍っているが、中国の広大な風景が新鮮だった。

(2)瀋陽駅構内は「便利超市」があって買い物に便利だ。身分証明と切符がないと待合室に入れないので混雑はない。若者はスマートフォンとiPadを持ってネット閲覧やゲームに熱心なのは、日本と変わらない。老人は慣れた人民帽、若者はGパンと服装はカラフルで、違和感はない。ただし、男女変わらず大きな声で携帯電話するのが、日本との常識の違いだ。
 行きの大連始発の乗車率は25%程度だったが、帰りの瀋陽発二等車は満席だった。ホームへの出入りは自動改札なので混雑せずスムーズに通過する。車内中央通路上に設置された新幹線のテレビモニターは、習近平新体制により解体される予定の鉄道部の新幹線宣伝のビデオ放映だ。常に車両専属の清掃係が移動しゴミを集め、そして注文した暖かい牛肉弁当は40元(600円)で、通常鉄道の駅弁は15元なので、やはり新幹線の車内販売する弁当は高い。成田で一日700円上限のWi-Fi無線ルーターを借りてパソコンで2時間25分間接続を試したが、高速の新幹線移動でもインターネットがサクサク使え、日本とのメール連絡が極めて楽だ。
 面白いのは日本と異なり新幹線の窓側ガラス枠に、すぐ手に取れるように緊急脱出用のガラス破壊用ハンマーがいくつも取り付けてあることだ。大連市内バスではよく見かけるが、広州市の新幹線事故の影響ではなく(?)、発想の違いだろう。日本の新幹線では非常時の停止ブザーはあっても、緊急脱出用のガラス破壊用ハンマーは無い。
 新幹線用の大連北駅から大連駅までの工事が5月には完成予定で、大連市内から瀋陽駅まで2時間を切ることになる。日本で言えば東京・名古屋間の感覚で、これから大連の法律事務所から発展する瀋陽方面の出張も楽になる。

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